形
形稽古
稽古の大部分を占める形稽古では、仮想敵を設定し対敵動作を学びますが、動作以上に大事なのが姿勢や体構えです。色々な状況を想定し、対応する刀法や駆け引き、体の運用や心の持ち様を学びます。
中には実際にはあり得ないような想定のものもありますが、それは無駄なのではなく、形の動きの中に深く内包され、あらゆる変化に対応するための基本を習得する一稽古法なのです。
当流の形は正座、居業(立膝)、奥居合居業、奥居合立業、番外、早抜、と非常に多岐にわたっており、それぞれに目的に合わせた稽古のしどころがあります。
業数が多いのが当流の特徴です。これは剣術を補完するものとして居合が加えられたのではなく、当流では最初から居合が中心にあって発展してきたからだと考えられています。ただ抜いて斬るだけではなく、柄を利用して相手を倒す柔術的な技が含まれるのも特徴です。このあたりは当流七代で現在の流名の起源となっている長谷川英信が柔術の達人であったことの影響と考えられます。
ともあれ、様々な形に触れることで、技術の習得はもちろん、底辺に流れている武士の文化や作法なども感じることができ、やればやるほどますます興味が深まっていくでしょう。
形目録
正座之部(大森流)
一、前
一、右
一、左
一、後
一、八重垣
一、請流
一、介錯
一、附込
一、月影
一、追風
一、抜打
立膝之部(長谷川流)
一、横雲
一、虎一足
一、稻妻
一、浮雲
一、颪
一、岩浪
一、鱗返
一、浪返
一、瀧落
一、真向
奥居合居業
一、霞
一、脛囲
一、戸詰
一、戸脇
一、四方切
一、棚下
一、両詰
一、虎走
奥居合立業
一、行連
一、連達
一、揔捲
一、揔留
一、信夫
一、行違
一、袖摺返
一、門入
一、壁沿
一、請流
一、暇乞
一、暇乞
一、暇乞
番外
早抜
番外
早抜